
東京都大田区にある有限会社戸田設計は、1994年に独立開業した建築設計事務所だ。建売業者の確認申請の手続き代行業務を年間100棟ほど行っており、同社全体の売上のうち約4割を占めている。その一方で近年、ハウスメーカーに押され気味な工務店をバックアップするため、地域の工務店に協力して住宅などの自社設計物件を意欲的に行っている。開業当時は、手書きの図面の方が仕上がりも早く、顧客の印象も良かったという。しかしその後、工務店に出入りしている他の建築設計事務所が、CADの図面を持ってくるケースが増え、顧客からの印象も変わってきた。そのため、手書きからCADへ移行することで、もっとスピーディに設計業務が行えるようになるのであれば、CADへ全面的に移行しようと決断。そこで、インターネット上から無料でダウンロードして使える、『JW_CAD』というフリーソフトを活用するようになった。
同社代表取締役の戸田知治氏は、「もともとデスクワークよりも現場に行く方が好きな性分なので、図面を今よりも速く描きたいという一心からCADの導入を決意しました。そのためには、一刻も早くCADの操作を覚えて、使いこなさなくてはなりません。そこで、これまで使っていたドラフターを思い切って捨て、CADしか使えない状況に自分自身を追い込みました。当初は、独学で使っていたのですが、得意先の工務店の社長さんから、『JW_CAD』を使いこなしているという、高校の先輩の建築設計士さんを紹介してもらいました。そのとき、簡単な操作で、図形や文字が自動で描けるのを見て衝撃を覚えました。以来、自分も『JW_CAD』をマスターしたいと思い、その人のもとに半年間、毎日のように通って、いろいろ教えていただきました。そのおかげで、自分でも『JW_CAD』用の外部変形プログラムを組めるようになりました。これを使えば、確認申請業務を行うときに、他の人が1日以上かかる仕事を2時間でできるようになり、ひとりで年間、100棟の仕事をこなせるようになったのです」と語る。
このように戸田氏は、「どうせCADに移行するならば、その道のトップを目指そう」という意気込みで『JW_CAD』をマスターし、今では『JW_CAD』の解説書を共著で執筆するほどのスキルを身につけている。しかし、『JW_CAD』は2次元図面しか作成できないことから、今回新たに3次元建築設計支援システム『ARCHITREND 21 Ver.9』を導入。これにより、建築デザインを施主にプレゼンテーションする際の表現力を飛躍的に高めることに成功している。
今回、3次元建築設計支援システム『ARCHITREND 21 Ver.9』を導入した背景には、施主へのプレゼンテーション力を高めることによって、今後も引き続き、建築設計事務所の勝ち組として成長していきたいという狙いがあった。
「最近は、内観パースや外観パースを使って見栄えのいいプレゼンをする建築設計事務所が増えてきています。これからは、3Dパースやウォークスルー機能を駆使したプレゼンを行わないと、勝ち組に残れないのではないかと感じています。われわれ建築設計士は、平面図を見れば頭の中で立体的なイメージを膨らますことができます。しかし、それをお客様に求めることはできませんし、実際、モノクロの図面を見せるよりも、お客様の評判はいいです」と戸田氏は語る。
実際に『ARCHITREND 21 Ver.9』を導入する決め手になったのは、以前から電話機やパソコンなどの導入で取引のあった大塚商会に相談し、そのデモンストレーションを見たときだった。
「もともと『ARCHITREND』については、以前から知り合いが導入していたので知っていたのですが、3Dパースを作成するのに1日くらいかかると聞いていたので、それが半日くらいでできれば導入してもいいかなと思っていました。ところが、『ARCHITREND 21 Ver.9』を見たときに、知り合いが使っていたものよりも大幅にバージョンアップしていたこともあり、思ったよりも速くできそうだなと感じたのです。また、内観パースや外観パースのサンプルもとてもきれいだったので、是非導入してみようと決断したのです」と戸田氏は語る。
こうして同社は、2005年3月末に『ARCHITREND 21 Ver.9』の製品群のなかから平面図などの基本プログラムとハイクオリティーなCG機能を持つパーススタジオオプションを導入。 そして、「せっかく導入するのだから、早く上達したい」という思いから、毎晩、仕事が終わり、子供を寝かせた後に、独学で操作方法を学んでいるという。 「幸い、『ARCHITREND 21 Ver.9』の基本的な操作方法が『JW_CAD』の操作性を取り入れていたので、何回か練習しているうちに、3Dパースを1時間くらいで作れるようになりました。 まだまだ覚えなければならないことはたくさんありますが、操作がしやすいことも『ARCHITREND 21 Ver.9』の大きな魅力ですね」と戸田氏は語る。