
オーデリック株式会社は1951年の創業以来、製品企画から生産・流通・販売に至るまで国内一貫生産にこだわる照明器具製造メーカーとして歩み続けてきた。お客様のニーズを第一に考え続ける「User's First」をモットーに、住宅用を中心とした、各種店舗や施設などのあらゆるシーンで利用できるバリエーション豊かな照明器具のラインナップを取り揃え、使い手それぞれの目的や感性に合った照明スタイルの提案に取り組んでいる。
現在、同社が製造・販売している照明器具は約6,800点。主力製品は、天井に取り付けるシーリングライトで、蛍光灯の色を昼白色や電球色から選択できるものや、蛍光灯を任意の明るさに調整できるマルチリモコン機能を搭載したものなど、業界に先駆けた製品を次々と世に送り出している。北海道から沖縄まで全国に事業所があり、毎年1回総合カタログを発行し、自社工場で製造した照明器具や輸入品を代理店を介してハウスメーカーや工務店、電気工事店などへ販売展開している。
ここ数年は住宅着工数が減少し、照明器具の需要も必然的に減少傾向にある。そうした中、同社では建築家や建設業者向けに、自社製品の3次元CGデータを簡単な登録をするだけで自由にダウンロードできるサービスを 2004年12月からスタートさせた。これは、ハウスメーカーなどが住宅や店舗、施設の完成イメージを施主に提案する際に役立つもので、i-drop規格のテクスチャにこだわった高品質な3次元CGデータを建設業者などに無料で提供している。同社では、これを製品 PRの一翼を担う重要な戦略として位置づけている。同時に、建設業界における3次元CGデータの活用を推進し、低迷する建設業界全体の活性化を図ることが大きな狙いである。
|
同社では、自社の照明器具を間取りに応じて提案するプランニングサービス を行っているが、以前は、製品カタログから照明器具の写真を切り取り、それを間取り図のボートに貼り付け、見 積書と一緒に施工業者などに提出していた。すべて手作業になるため、全国の事業所ごとに専任のアルバイトやパートを雇用して対応していた。しかし、業務量 が多くなるにつれ、手作業による非効率さを改善し、人件費をいかに削減するかが課題となった。そこで、その解決策として6年ほど前からパソコンを使って照 明プランを作成するようになった。 |
|
同社ハウジング開発課 プランニング係 係長の池田 孝氏は、「パソコンを使うことによって、製作スピードが早くなり、修正作業も簡単に行え、お客様と メールによるデータのやり取りも可能になりました。また、本社のプランニングセンターで一気に処理できるようになり、人件費も削減できるようになったので す。ところが、その時点では、照明器具で最も肝心な光の効果までリアルに表現することができなかったので、カタログの製品写真を切り貼りしていた頃と、照 明プランのクオリティ自体はほとんど変わっていません」と語る。
そこで、当時、建設業界で使用されはじめていた3次元CGに着目し、3次元CGを駆使することによって照明器具 の光の効果をリアルに表現したいと考えたのだ。
「あるとき、設計事務所から3次元の照明プランを作成できないか、配光データ付きのコンテンツが欲しいという要望があったのです。配光データとは、角度や距離によって変化する照明器具の明るさの情報です。しかし、当時は3次元に関する知識がほとんどなかったので、大塚商会さんにアドバイスをいただきながら調査することにしました」と池田氏は語る。
こうして2003年12月から3次元CGの調査を開始した。そして、最終的に、3次元CGソフトウェアとして、オートデスクの『Autodesk VIZ』と『Autodesk 3ds Max』を選定した。
「当時、配光データを扱えるCGソフトは『Autodesk VIZ』だけで、建築用途に絞った機能だけを備えているので安価に導入できると、大塚商会さんに教えていただいたのです。その後、『Autodesk 3ds Max』にも同様の機能が追加されると聞いたので、両方の製品を導入することにしたのです。また、オートデスクのi-dropフォーマットでダウンロードサービスを提供することで、建築業界で最も多く使用されている『AutoCAD』でもデータ活用できるようになることも重要な決め手になりました。『AutoCAD』では配光データの読み込みまではできませんが、照明器具のDWGデータをi-dropフォーマットで提供することができるのです」と池田氏は選定理由を語る。