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株式会社梓設計の情報部門の始まりは、20年前に開設された電算室に遡るが、本格的にIT環境の全面整備に取り組み出したのは、1997年。それ以前でも、サーバを立て社内のパソコンをWindows 95に統一して、社員への設置割合は5割程度になっていたが、パソコンを5〜10台増設するたびにネットワークも分岐増設していく状況で、飽和状態になっていた。そのため、1998年に数台のWindows NTサーバを導入し、LANを全面敷設して全社で一元管理し、各種のメンテナンスを含めて、社内スタッフで対応する体制が整った。 |
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1997年当時、情報システム部所属は全7名で、内1名がCADオペレータという体制だった。当時と現在を比較して、設計本部情報システム部主任の勝木良隆氏は、次のように語る。「この問題への取り組みが本格化した97年当時は、社内のパソコン利用者は、Windowsがメインではありましたが、一部にMacとNEC98が混在する環境でした。さらに、各社員が使用するソフトが完全には統一されておらず、また、パソコンの利用者も全社員の5割程度といった状況でした。現在は、パソコンの1人1台体制が整い、ほぼ全社員がパソコンの利用者で、Windows 2000環境への統一、業務に使用するソフトの標準化が終わった状況です。今回の大塚商会さんからのサーバ類の導入は、設計業務基幹系構築の総仕上げといった意味合いがあります」現在、情報システム部所属は、CAD担当者を設計室に戻し、計2名である。
取締役設計本部第2統括部長 兼任情報システム部長の柴田節雄氏は、設計業務IT化の作業方針とそのポイントを、次のように述べる。「IT化を推進するにあたり、最初に考えたのは、『統一化』と『標準化』の2点です。具体的には、この考えにより、『ツールとシステムのサポート管理業務の軽減』と『業務の効率化と迅速化』という形を実現することを目指しました。ハードとソフトの導入では、『コストパフォーマンスを最優先し、業務効率ないしは品質の向上に結びつくかどうか』を、最終判断の基準とし、現場からの要望があっても、この基準をクリアしないと判断したものは、導入を見合わせています」柴田氏は、現在の情報システム部の少人数体制について、次のように補足する。「正直なところ、私供のような業務と規模の会社では、仕事が右肩上がりの時代ではありませんので、IT専任の人材を確保して配置することは容易ではありません。このため、各部署のITに強い人材をシステムサポータに任命し、このシステムサポータに現場を任せ、情報システム部が全体を取りまとめ、支えるという体制を作り上げました。これにより、情報システム部は、基幹系システムの運用管理と全社レベルでのITシステムの企画と構築に集中できる体制を作り上げました」
現在、システムサポータは、各部に2〜3人で、全社で約40人。 2ヶ月に1回、会議を開き、システム使用上の注意点や各部共通の情報を伝達・指導、要望の聞き取り等、意見交換を行っている。基幹系の整備が一段落したこともあり、サポータ側の負担は当初より大幅に軽減されている。ちなみに、このシステムサポータ制度の導入に合わせて、情報システム部への各部署からの要望や相談(業務内容)を「コンピュータサポート打ち合わせ用紙」に記入してもらい、その内容を、情報システム部対応と各部署対応に分け、業務内容の分析を行っている。
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少人数でIT環境の整備を行い、それを成功させるのは簡単でない。まして、その成果を金額化して示すことなど、至難の業であるが、この点を勝木氏は次のように語る。「梓設計は、IT投資をここ数年の間、毎年10%削減しながら、設計業務のIT化に取り組んで来ています。しかし、この10%削減により、IT環境の整備が遅れたり、性能が低下すると言った状況は発生していません。これには、皆様もご存知のとおり、IT関連機材のコストパフォーマンスの向上が寄与しています。さらに、ハードウェアとソフトウェアをリース調達し、4年周期で順次更新していますが、毎年計画的に、年3回に分けてIT関連機材の全社一括の集中調達を実施しますので、このコストダウン効果も見逃せないものがあります。ちなみに、今回の大塚商会さんからのサーバ類の購入も、この計画に沿ったものです。このIT環境の計画的な更新は、小人数での情報部門の業務効率化のための、業務の集約と整理といった側面も持ちます。具体的には、リース管理とファシリティ・マネジメントの統合一元化を実現することができます。 |
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予算管理も、向こう4年先までの見通しが立ちますので、今後のIT環境の変化に対応して、どの様な機材を導入すべきかの検討を行い易くなり、また全社的な仕様の統一、標準化が促進されるというメリットもあります」
また、IT投資の留意点として、柴田氏は次の点を指摘する。「業務のIT化では、ITツールに業務を合わせるのではなく、業務に合わせてITツールを導入するという方針で臨んでいます。私供の業務に必要なツールを導入することに主眼を置いていますので、技術的に最先端の製品を導入している訳ではありません。世間一般から見ると、一歩遅れて歩んでいるように見えるかもしれませんが、IT分野の技術革新の速さとその裏返しである陳腐化の速さを考えると、私供が先端技術を追いかけることに意味があるとは思えません。ここで、重要なのは、業務効率の向上に役立つIT環境の整備と機器の導入を行うことではないかと思います。少しキツイ表現ですが、『技術的には最先端の高価な完成度の低い製品を購入する必要はない』と思います。この様な考え方を私がするのは、私が経営陣の一員であり、プロのITのエンジニアでないためかもしれません」